映画プレイ・バック

       序章

 

  零戦が、爆弾を抱えたままで

着陸ギアを出すシーンが、後方から

のアップ画面から始まります。

着陸したのは、特攻に向かう戦闘機が

故障した時に、着陸する小笠原諸島の

大戸島守備隊基地です。時は昭和

20年の事です。

搭乗していたのは、神木隆之介演じる

敷島浩一です。実は、故障を偽って

着陸した事が、後に分かります。

この出来事は、主人公である敷島の

生き残る事への、強い執着心を持って

いると言う事を伺わせます。この映画の

サブ・タイトルである「生きて、抗え。」

に繋がっていると、思いました。

その日の夜、神木は海辺に出て

海岸線に、深海魚が沢山浮いている

のを見掛ます。

やがて、この島に古くから伝わる生き物

「呉爾羅」が上陸して来ます。

守備隊員達の必死の抗戦にも関わらず

全長15メートルもある呉爾羅にあわや

全滅の一歩手前までやられてしまい

ます。

零戦の20ミリ機関砲で撃ってくれ

との必死の懇願に、敷島は

操縦席で呉爾羅に照準を

合わすも、その獰猛さに怯え慄き

逃げ出してしまいます。

この時の事が、後々まで敷島の

悪夢となって、彼を苦しめ続け

ます。

そして、この失態が、青木崇高演じる

橘 宗作整備隊隊長との間に確執を

生む事になります。

 

                あらすじと見所

 

  その年の冬、終戦を迎え一面焼野が原

となった、東京へ帰って来た敷島は

僅かに、表札部が残るのみとなった

我が家の惨状に、茫然と立ち尽くします。

隣近所の、安藤サクラ演じる太田澄子に

両親の安否を尋ねると、空襲で二人共

亡くなった事を告げられます。

敷島は、思わず「生きて帰って来いって

言われたのに」と呟いてうなだれて

しまいます。

やがて敷島は、ひょんな経緯から

浜辺美波演じる大石典子と、典子が

空襲の最中に重症を負った女性から

託された赤ん坊の明子と共に3人で

時折、太田澄子の手助けを受けながら

我が家跡に建てたバラック小屋で

暮らし始めます。

生活費の糧を求め、特設掃海艇に

乗り込み、機雷除去の仕事を始めます。

そこで、佐々木蔵之介演じる海進丸艇長

秋津淸治、元技術士官である吉岡秀隆

演じる野田健治らと出逢います。

やがて、狭いながらも、新築した

我が家で3人で暮らせるように

なります。

そんな中、ビキニ環礁での核実験の

影響を受け、巨大怪獣へと変貌した

呉爾羅こと、ゴジラが焦土と化した

東京を襲います。

それまでも、特設掃海艇海進丸での

掃海作業中に、ゴジラに遭遇して

旧日本海軍、重巡高雄に助けながらも

なんとか、命からがら敷島達は逃れる

事が出来ます。

東京の、銀座を襲うゴジラの圧倒的な

破壊力と口から放射する、熱線ビーム

の破壊力は、小型核爆弾並みの威力

です。

ゴジラ来襲により、敷島達の生活は

大きく変わってしまいます。

やがて、元技術士官であった野田健治

が立案した作戦のもと、敷島達は

ゴジラに立ち向かう事になります。

敷島は、操縦士の経験を活かし

大戸島で出逢った、因縁の橘

整備隊長を捜し出し、彼が整備

した幻の、局地戦闘機「震電」

に乗り、ゴジラに立ち向かう事に

なります。

独特の前翼型の震電を操り

敷島が眼下に拡がる美しい日本の

原風景を眺めるシーンが特に印象に

残りました。

そして、映画冒頭での無意味な特攻とは

違い幼い明子が暮らす、日本を守る為の

決意と覚悟が良く画かれている、シーン

だと、感じました。

 

         【まとめ】

 

  この映画を、観終わって感じた事は

第二次世界大戦の、無謀さ、虚しさが

よく画がかれていると、感じました。

ゴジラの、圧倒的な破壊力とパワー

に「生きて、抗え。」のサブ・タイトル

にある通り、今有る物で戦う事こそが

尊い事だと、考えさせられました。

現在も続く、ウクライナと中東ガザでの

瓦礫と化した街並みを、連想させられも

しました。

戦乱の嵐の中でも、生きて抵う勇気の

大事さを、考えさせられる映画だと

思いました。

感動した風景

滅多に見えない靄が
立ち込めた、海の風景
です。

 

 朝に起き、海辺へ散歩に

出掛けました。

今日22日は、二十四気の一つの

「小雪」でした。

 

  夜明け前からの快晴で、指の先に

冷えを感じる位の、寒気に覆われて

いました。散歩中、微かに吐く息が

白かったです。

 

  山の稜線の上が、薄赤くから白へ

と変わり、明るくなり始めました。

30分もすれば、日の出となる

位の時でしょうか。海辺に

出ました。

 

  海面を今期一番の、寒気が覆った

ようで靄がまるで、湯煙のように

立ってました。幸運にも、稀少な

幻想的で、水墨画の世界の様な海の

風景を眺める事が、出来ました。

 

  11月小雪の日の、寒気が作り

出した、靄が立ち込める海の風景

を切り取って見ました。

植物のある風景

色鮮やかに紅葉した
木々に、感動しきり
でした。

 

  春日和となった休日に

とある、植物園を訪れました。

午後の日差しに映えて、鮮やかさ

を増した紅葉を纏った、木々を

観る事が出来ました。

 

  時折、強い南風が枝葉を

揺らし、枯れ葉を周りに撒き

散らしていました。

 

  突然、子供達の歓声が聞こえ

て来ました。見れば、園の係り員

に引率された、十人程の親子連れ

が山中の、見学コーズから帰って

来たところでした。

 

  少し暑かったのか、上着を小脇

に抱え、紅葉した木々の下に

集まり説明を、受けていました。

どの顔も、興味津々です。

 

  自然だけが作り出せる、色鮮やか

な木々の紅葉の濃淡に、感動しきり

といった、様子でした。

 

  今年の夏の猛暑を経て、色鮮やか

な紅葉を見せてくれた、木々を観て

ひとしおの感慨を、覚えました。

 

  子供達の歓声に、包まれながら

目にも鮮やかに紅葉した、木々を

切り取ってみました。

季節の風景

折からの、北風に
一斉に南へなびく
ススキの穂達です。

 

  10月も、終わろうとしている

時季を迎えました。

好天に誘われ、先週の土曜日に

ススキの群生地へと、出かけ

ました。

 

  銀色に輝く穂を付けた、ススキの

群れを観ることが、出来ました。

「日差しがたっぷり」なのですが

少し肌寒いと思ったら、北寄りの

風が吹いていました。

 

  野分と言う程の、強い風では

ありませんが、北風に翻弄される

ススキの穂達を観ていて、季節の

変遷を実感しました。

 

  吹き通る、北風に煽られて

一斉に、南に向かってお辞儀を

しているような、銀色に輝く

ススキの穂の動きを、切り取って

みました。